プロリクが実践するデータに基づいたスカウトのPDCA

2023/01/31

プロリクの髙木です。弊社では勘と経験に頼った採用活動ではなく、採用活動のデータを集め、事実をもとに採用活動を改善しています。今回は実際にどのようなデータをもとに、どのように改善しているのか記事にしましたので、皆様の採用活動の参考となれば幸いです。

尚、弊社では採用活動全体の最適化を支援していますが、今回はスカウトの返信率向上に焦点を当てた内容となりますことご了承ください。

以下の内容にそってデータを見た上で、上記3点に照らし合わせてどこが足りてないのか?を考えていくのが基本的な考え方となります。

  1. ターゲットが適切か
  2. メッセージが適切か
  3. 適切な外部情報の質・量を提供できているか

この3点を切り口として、以下に細かく解説していきます。

ターゲットを適切に選定する

まず「ターゲットが適切か」の観点では、具体的には以下の要素をチェックしていきます。

・ターゲットは自社採用力とマッチしているか?(ex ターゲットの過去・現在経歴企業・の在籍企業の社格が高すぎないか)

・ターゲットはアクティブか(ログイン日は適切な範囲か、アクティブなマークは付与されているか)

・ターゲットの転職意欲は高いか

・ターゲットのwill(希望職種、希望業種、やりたいこと)がスカウト該当ポジションと合致しているか

媒体ごとに取得できるデータが異なりますので、一概には言えませんが、基本的に上記の観点は必須で確認するポイントとなります。

例えば、Wantedlyでは多様はデータが取得できますが、弊社でご支援しているある企業のデータでは、ユーザーの直近ログイン日が24時間以内の場合はスカウト返信率が約10%あるにも関わらず、24時間を越えるユーザーの場合は約2%まで下がるという結果がでました。その後のスカウトでは、24時間以内のユーザーに絞ってスカウトしたことで、無駄のない最適な運用ができるようになりました。

その他、スカウト送付曜日(何曜日にログインするユーザーか)、時間帯(何時にログインするユーザーか)など、スカウト返信率に寄与する変数は多数あります。様々なデータを見ながらターゲット設定として最適な運用になるよう改善する必要があります。

メッセージを最適化する

続いて、「メッセージが適切か」についてですが、ペルソナと訴求内容が合致しているか?ペルソナに刺さる文章構造になっているか?表現は適切か?といった観点からチェックしていきます。

ペルソナと訴求内容の合致について、一番わかりやすく基本的な例では、もし自社プロダクトを開発するポジションの場合、受託企業やSIerに在籍している方に対しては、自社プロダクト開発という点は訴求になりそうですが、現在既に自社プロダクト開発をしている方には刺さらないでしょう。自社プロダクト開発をしている方にはまた別の訴求を仮説設計し、スカウト文章に盛り込む必要があります。このように、ペルソナと訴求内容にズレがないかを確認します。

次に、文章の構造についてですが、スカウト文章をどのような文章構造にすべきかも、ペルソナと合致している必要があります。

一つの例として「課題提示型」という文章構造があります。一定の経験を持つエンジニアは課題が好物、課題を解決することに熱意を持ちやすいという特性から、現在の自社の技術的課題を文章の中でも上部に配置しすることで、課題自体を伝えるとともにその課題解決をお願いしたいというストーリーを読ませる文章構造です。しかし、この構造がすべての会社・職種に最適であるということはもちろん無く、ペルソナとして想定返信率に達しない場合は他の構造に変更を行い、運用する中でベストな構造を見つけだしていきます。

データをもとに改善サイクルを回す

上で述べたターゲットとメッセージの2点は短い期間で改善を回すことが重要です。

スカウトを送信しスカウト返信率が悪かった時、多くの場合、「まだ送付数が少ないから。まだ数日しか経過していないから。」という理由で改善を後回しにしてしまいます。それによって、ペルソナに刺さらないスカウトを何百通と送ってしまい、結局応募がほとんど取れず、時間もお金も無駄になるようなことが起きています。

実は、弊社の今のところのデータ上、ここに多くの期間や通数は必要ではありません。

例えば期間について、過去のデータを分析してみると、スカウト返信全体のうちおよそ6割がスカウトを最後に送信した日から起算して2日以内に返ってきています。

つまり、プロリクとしては、最後のスカウト送信から2日以内に想定した返信率の6割(例えば10%返信と仮定していると6%)に達していなければ、改善アラートがあがっていると認識して良いと考えているわけです。

次に通数について考えてみると、非常にシンプルに割り出せます。

1通の返信を獲得するためのスカウト送信数は、1÷想定返信率で算出できますね。

例えば10%の返信率を仮定すると、10通送って1通も返信がなければ想定した値に達していないということになります。

なお、統計的な観点からはわずか10通ではサンプル数が少なく全体を推定できるほどのものではないことは当然なのですが、そもそもスカウトは何千、何万とサンプルが発生するような性質のものではありません。統計的に正しかどうかは別にして、非常に少ない中で全体を推定するしかないという実務の性質の中、うまく折り合いをつけて判断をしていく必要があると考えています。

とりあえず1週間、とりあえず1ヶ月、なんとなく50通といった根拠なき改善期間は、どうしてもその改善スピードを遅らせ、改善自体を遅延させます。なぜその期間に振り返りをしなければならないか、明確な指標を置き、迅速に改善を回すことでうまくPDCAが回っていきます。

適切な外部情報の質・量を提供できているか

最後に、3点目の「適切な外部情報の質・量を提供できているか」についてです。弊社の独自のアンケート調査によると、スカウトを受け取ったエンジニア候補者の約8割は、求人情報やスカウト文だけでなく、媒体以外の外部情報(note記事、テックブログ、会社HP、紹介スライド、Wantedlyインタビュー等)を読み込んだ上で、ご自身の応募意志をかため、応募という行動に至っています。つまり、そういった外部情報無しではエンジニア候補者の応募行動を後押しすることが難しく、媒体以外でどれだけ充実したコンテンツを提供できるかが問われているということを意味しています。

なかなか返信率が想定したほどに上がってこない場合は、適切な外部情報が発信されているかどうか、適切なコンテンツがスカウトに貼り付けされているか、その情報量が適切かなどをチェックしていきます

ポイントは、外部情報の有無自体ではなく、適切なコンテンツが適切量用意されているかです。単に個人の経歴や入社動機・やりがいなどにフォーカスした社員インタビュー記事、求人票と大差がない情報しか掲載出来ていない会社ピッチ資料や採用HPなど、特段の狙いや候補者にとってもメリットがなければ返信率に寄与しません。

逆に、適切な質と量の外部情報をスカウトに貼り付けることが出来れば、短期的に大きく返信率を上げる事例が多くあります。

スカウト返信率を計測しながら、どのような外部情報をどの程度の量貼り付けるべきか、更には外部情報自体のリニューアルやリライトをも選択肢に入れた上で、返信率に何が寄与するのか検証を重ねることで、自社にとっての正解を導出することが出来ます。

最後に

以上、弊社で実施しているスカウトの返信率向上のPDCAについて紹介しました。今回はスカウトの返信率向上に焦点を当てていますが、弊社ではスカウトだけでなく採用活動全体の最適化をご提案しています。

スカウト・採用活動でお困りの際には、当サイトのお問い合わせページよりお気軽にお問い合わせください。

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