採用活動は期限を切るのが重要!3ヶ月で即戦力エンジニアを3名採用した秘訣

2022/05/19
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プロリクではプロコミュと題して月2回のオンラインイベントを開催し、採用ノウハウや面接術など採用ご担当者の方に活用いただける情報を発信しています。トークイベント第二回では、LAPRAS株式会社の千田和弘さんから、3ヶ月で即戦力エンジニアを”3名”採用できたチームの作り方について話していただきました。
藤澤さしみ氏:本日はご参加いただきありがとうございます。ファシリテーターの藤澤さしみです。今回は第2回目ということで、3ヶ月で3名の優秀なエンジニアを採用した秘訣についてラプラスの千田さんからお話いただきます。それではよろしくお願いいたします。
千田和弘氏:改めまして、LAPRAS株式会社でHRビジネスパートナー(HRBP)をしている千田と申します。今日はよろしくお願いします。まずは、私の自己紹介から簡単にさせていただきます。
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これまで人材エージェントから始まり、ドワンゴやスタートアップ企業の人事を10年間担当してきました。得意分野はエンジニア採用や組織開発、制度設計です。少しだけ宣伝になりますが、昨年『作るもの作る人作り方から学ぶ採用人事担当者のためのITエンジニアリングの基本がわかる本』を出版しました。「エンジニア採用」と検索すると1,2番目に出てくるくらい好評で、第3版まで出ています。ご興味あれば、是非ご一読ください。
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LAPRAS株式会社では、インターネット上で公開されているオープンデータを元に、利用者のプロフィールを自動的に生成する「LAPRAS」というサービスを提供しています。さらに、プロフィールを元に企業とのマッチングもサポートしています。
本日は「エンジニア採用におけるチーム作り」について、新しい発見を持ち帰っていただくのが目的です。もし、今日のプレゼンの内容で全部聞いたことあるという方がいれば僕は負けだと思っているので、何か一つでも勝てるところがあるように頑張ります。

優れたエンジニアの採用が勝利条件につながる

私、歴史シミュレーションゲームが好きで、信長の野望や三国志などのゲームをよくビジネスに例えるんですよね。私たちは歴史ゲームと同じく、ビジネスを通じて競合他社とパイを奪い合ったり、未開拓地を切り開いたりしています
そんな中、近年はスマートデバイスの普及や高速ネットワークなどのさまざまなグローバリゼーションが進んでいます。その結果、人類が生まれてから西暦2000年ぐらいまでの情報量が毎日生み出されており、数万年にわたる情報が日々生み出される状況になっているのです。
戦国に例えると、刀で戦をしていたところからミサイルの使う時代になったようなものですね。現代においては、今まで規模の大きい会社が人力で営業していたところを、テクノロジーの力で時間や場所に問わず、たった1人でアプローチができるようになりました
その結果、今の時代におけるゲームの勝利条件が「優れたソフトウェアを開発してデリバリーできること」に変わりました。勝利条件を達成するためにも、優れたエンジニアの獲得というのが戦略上の最優先事項になっており、あらゆる会社が優秀なエンジニアの獲得を目的に採用活動を進めています。

企業の報酬がエンジニア採用の勝ち筋を高める

エンジニアの採用においては自社のポジショニングを知ることが重要です。スライドは、会社の知名度・規模、その会社に属してるエンジニアのレベル・環境別に4つへ分類したものです。
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左下の本当に何もない状況であれば、エンジニアを迎え入れる環境作りが必要なので、CTOやテックリードを連れてくるのが重要ですね。右上の状態では、露出を増やせば自然と応募者も増えていくでしょう。
次に、どんな報酬を用意できるのか?提供できる価値を明確にすることが重要です。トータルリワードとも呼ばれます。例えば年収を報酬にするケースが多いですが、その他にも色々用意できる報酬はあります。
・自分の存在が認められる ・生活のバランスが調和している ・カルチャーがマッチして自分のあるがままに振る舞える ・会社に属することで自身の成長につながる ・一緒に働きたい人がいたり、憧れの会社である ・会社のミッションに共感している(パーパス)
などです。これらの要素を組み合わせて勝ち筋を高めていくのが大事だと思っています。弊社の場合は規模が小さいので、目指している世界観に共感してくれるか、を推しています

採用活動はプロジェクト化して期限を切るのが重要

LAPRASでは、昨年10月から今年1月までの約3か月間で、優秀なエンジニアを3名採用できました。スライドは技術スコアですが、採用した3名はスコアが3.5以上で上位4%になっています。
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採用活動をするにあたり、プロジェクト化として3ヶ月で3名のエンジニアを採用する目標を立てました。この目標は2021年までにここまで目指す、という経営目標から下ろした数字です。まずは人数を具体的に決めて、内定承諾までのタイムラグも考慮したうえで、いつまでにやるのか、期間を決めました。プロジェクトチームも結成し、CEO、CTO、HR、サポートの計4名と全従業員の協力をつのって進めていきましたね。基本は前倒しで進めていき、足りない場合はリカバリができる状態にしています。採用は期限を明確に決めないことが多いですが、私は決めたほうが上手く行くと思います。結果的にはプロジェクト化が功を奏して目標を達成できましたが、成功の要因となったと考える具体的な工夫を3つお話します。

エンジニアの気持ちを第一に考えた採用活動

弊社の採用で工夫した1つ目は、CEOとCTOを使い倒したことです。上のスライドは、スカウトメールの文面です。メールの文面では、以下の3点を意識しています。
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・メールをもらって嬉しい人の名義を使う ・パーソナライズを意識する ・日程調整を最小化していく
弊社ではCEOやCTOがスカウトメールを送っていました。ただ、規模が大きいとそれは難しいと思いますので、現場のエンジニア名義でもいいと思います。
パーソナライズの部分については、誰にでもばら撒いているわけではなく、あなたなんですという気持ちがしっかりと伝わるようにしました。
また日程調整については、カレンダーのURLを直接貼り付けて、どちらか直接会いたいと思っている人との予定を抑えられるようにしました。実は、エンジニアで人事に会いたいと思っている人って少ないです。エンジニアは、同じくエンジニアに会いたがっていることが多いです。また、メールに返信するのが億劫な人が多いので、URLをクリックすれば予約が完了される工夫もしてました。

大事な情報はすべて開示

2つ目の工夫は、全てを開示したことです。弊社では、解決したいものが具体的にありました。「入社してこれを解決してほしいんです」「この問題を抱えていてこうしていきたいんです」と要求を明瞭に伝えるようにしています。伝えることで、自分はできるかなとかやりたいなと思ってもらえるんですよね。入社3ヶ月から6ヶ月の具体的なミッションを伝えることで、入社後の相違がないように意識しています。
また、弊社で一緒に働くメンバーのGitHubやブログ記事などを見れるようにしています。エンジニアチームの技術力やアウトプットをわかるようにしておきたいからです。
年収についても、具体的な年収を定めて提示しています。例えば求人によっては、年収が300万円~1,000万円など具体的でないケースも多いです。けれども弊社ではオープンな文化をウリにしているので、提案できる年収も明瞭に記載していますね。弊社の企業規模だと今後の業績を不安に思う方もいるので、安心してもらいたい思いも込めています。

選考自体でエンジニアと良好な関係を築く

3つ目の工夫はCX(Candidate Experience)にこだわったことです。選考を通じてエンジニアと良好な関係を築いていき、入ってもらいたいと思ってくれるようにしています。例えば選考の中で出す技術課題では、実際の業務に近いレベルの高い内容を課題としています。課題をこなしていく中で、候補者は「レベルの高い技術課題をクリアした人だった良いエンジニアしかいないんだろうな」と思ってくれたり、この内容を業務としてやっていきたいとモチベーションが高まる効果があります。
また、構造化面接というのをやっています。これは60分くらいの面接で、あらかじめ質問項目と回答内容のスコアが明瞭に決まっており、採用者の主観で選考を決めないようにしています。面接の結果は良かった点や悪かった点を候補者にフィードバックもしているので、納得感を持ってもらうことができます。
選考では、一緒に働く人を知ってもらうために、10対1や20対1で雑談をする機会を作っていますね。入社後は、全員で採用したという意識を持ち、入社した方がパフォーマンスを発揮できるように全員で協力していきます。

いい会社が作れればいい採用ができる

これまでいくつかの具体的な工夫を見てきましたが、とはいえ最も重要なことは、採用のプロセスでその会社ができることをやり尽くすことです。
私はいいエンジニアが採用できしっかり活躍してくれれば、会社全体に良い影響を与えてると思っています。そのためにも、小手先の技術で採用をするのではなく、キーマンも巻き込んで考えをしっかり伝えて、思いが合致すれば一緒にやっていこう、というスタンスが重要だと考えています。
現在は、フルリモートの影響で採用の幅が広がっています。弊社でも、最近採用した方が茨城在住の方でした。今後は、地方の優秀なエンジニア採用が活発化していくでしょう。

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