2023年も引き続き人材の流動性は高く、人材獲得競争も激化。求職者の魅力付けには候補者体験やリモートワークがキーワード

2022/12/09
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人材獲得と人材定着は、昨今の企業やHRにとって頭を悩ませる最大の懸念事項の一つであることは間違いありません。そのような中で、米国のメリーランド州に本社を構えるHRテックカンパニー”iHire“は米国の求職者(3,668人)と雇用主(539 人)を対象に、人材不足の中で企業がどのように優秀な人材を採用し維持しているかについて、また、求職者がどのような条件を求めているのかに関する実態調査を行いました。

本記事では、この調査結果から導き出された8個の傾向を紹介していきます。

主なトピックス

  1. 企業は慢性的な人材不足・人材獲得競争に引き続き直面
  2. 候補者のスキルと企業が望むスキル間に存在するギャップ
  3. 2023年も継続する大離職時代
  4. 経済の不確実性が与える影響
  5. 求人検索サイトの重要性
  6. 求職者も企業も「無反応」が最大の懸念事項
  7. リモートワークが企業と求職者のマッチング機会に悪影響
  8. 選考プロセスの短期化が与える好影響

企業は慢性的な人材不足・人材獲得競争に引き続き直面

要件を満たした候補者を見つけることが、採用における最大の課題であると回答している企業が、4年連続でトップとなりました。68%の企業が応募者不足の状態、65%が応募のあった候補者の要件不足を訴えています。さらに、82%の企業は、2023年も引き続き人材獲得競争の状態が続くであろうと予測しています。

候補者のスキルと企業が望むスキル間に存在するギャップ

企業側は採用要件を満たす候補者探しに苦戦をしている中で、39%の求職者は企業の採用要件は非現実的、または特定のスキルを求めすぎていると考えています。また、26%の求職者は、要件を満たしていないと自覚している場合でも、ポジションに応募をしたことがあると回答しています。

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参考
加速する人材獲得競争下で、イチ早くスキルベースの採用活動に取り組むべき理由
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2023年も継続する大離職時代

現在は雇用状態にある57%の候補者が、次の仕事探しを行っている状態であると回答しており、コロナ禍で発生した大離職時代は引き続き2023年も継続しそうな様相です。また、企業側においても、41%が社員の定着に課題を感じている状態です。

経済の不確実性が与える影響

景気後退に関する可能性やインフレが上昇する中、44%の候補者と34%の企業が、2023年における経済の不確実性が仕事探しや雇用状況に影響を与えると予測しています。そのため、約68%の求職者は、求人広告に給料レンジがしっかりと明記されている場合において、その仕事に応募する可能性は高くなると回答しています。

求人検索サイトの重要性

60%の企業が、過去1年間で求人検索サイトへの依存度が上がったと回答しており、71%は求人検索サイト経由が「ほとんど」または「すべて」であると回答しています。求職者側も、約60%が過去1年間で求人検索サイト経由で仕事を探したと回答しています。さらに、66%の求職者は、早急に仕事探しが必要な際はまずはじめに求人検索サイトを活用するとの回答もあります。

求職者も企業も「無反応」が最大の懸念事項

52%の企業が反応のない候補者にフラストレーションを感じていると同時に、45%の候補者も企業から反応が返ってこないことが、転職活動における課題であると回答しています。候補者体験に関する注目が高まる昨今において、企業側の選考プロセスにおける仕組化は引き続き重要であると言えます。

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参考
採用CX(候補者体験)を最大化させる選考プロセスの設計方法とは
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リモートワークが企業と求職者のマッチング機会に悪影響

2021年は6%程度だったのが、現時点では23%の求職者がリモートワークの求人を探すことに難しさを感じており、29%の企業は候補者のリモートワーク希望が2023年における採用力に悪影響を与えると予想しています。日本においても出社を義務付ける企業が続々と増えてきています。一方で、フルリモートを継続する企業も一定数存在し、これらの動向が今後の採用力に影響を与えていくことが予想されます。

選考プロセスの短期化が与える好影響

多くの候補者は、企業の選考プロセスにおける時間を短縮してくれれば、その仕事に応募する可能性が高くなると述べています。さらに、20%近くが「長い応募プロセス」が就職活動における最大の課題として挙げており、26%は任意のカバーレター提出を求めています。従って、候補者を引き付けるために企業側ができることは、候補者に対して時間を考慮している内容を示す事であると言えます。

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参考
採用ターゲット層の転職活動、企業の選考期間と共に短期化傾向
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iHireの社長兼CEOである Steve Flook氏は、次のように述べています。「人材獲得競争・人材不足は単なるトレンドではなく、長期的に継続する企業課題です。大離職時代や経済的懸念、候補者のリモートワークへの継続的な関心は、昨今の採用市場における課題の単なる一部であり、それが複合的に重なっていくことで、企業の採用活動を複雑化させています。」

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調査結果はこちら
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引き続き、日本においても人材獲得競争が続くと予想されますが、企業や求職者の動きを注視し、マーケットに合わせた採用活動を行っていく必要があり、HR担当者にとっては継続した情報収集が今後のカギを握るでしょう。

 

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