返信率が高いのになぜカジュアル面談以降の選考者が増えないのか
2022/09/16今回は、スカウトの返信率が高いにも関わらずカジュアル面談以降の選考者が増えないケースの課題について、チェックすべきポイントを解説していきます。
有効返信が少ない
まず最初に見るべきポイントは有効返信が取れているかです。
スカウトの返信では、もちろんお断りのお返事もあり、一方で有効返信とは応募意思を示した返信のことを指しますが、基本的にスカウト媒体のレポートやダッシュボードに表示される返信率はお断りのメール返信数も含めた返信率となります。
レポート上の返信率は良くても実は有効応募は少なかったというケースもあるので、まずはここを確認します。
カジュアル面談後の移行率が低い
有効返信が取れているにも関わらず、選考者が増えない場合は、カジュアル面談に問題があることが多いですが、考えられる原因は以下3つとなります。
・カジュアル面談後辞退が多い
・カジュアル面談後の書類選考での不合格が多い
・カジュアル面談後保留の人が多い
原因は上記のいずれかに当てはまるかと思いますので、まずは何が原因かを調べましょう。
カジュアル面談後辞退が多い
もし仮に辞退者が多いという場合はアトラクト(=魅力付け)ができていないケースがほとんどです。
ただ単に会社の説明をするのではなく、会社の魅力、ポジションの魅力も合わせて伝えながら説明をしていきます。
弊社ではカジュアル面談のアトラクトに問題がありそうな時はカジュアル面談に同席をして課題点の洗い出しとアドバイスを行っています。
特に人事の方ではなく、カジュアル面談に慣れていない現場の方が担当する時は、人事の方が面談に同席をするなどしてアトラクトができているかのチェックすることをお勧めします。
カジュアル面談後の書類選考での不合格が多い
不合格が多い理由は、そもそものスカウトを送付するターゲットがずれている可能性があり、その場合はスカウト対象者の目線を合わせましょう。
また、もう一つ考えられる理由として、カジュアル面談に選考要素が入ってしまっているケースがあります。カジュアル面談は選考要素がないことが前提にも関わらず、見極めを行っており、書類選考で不合格判断になってしまうケースです。
このケースは非常に勿体無く、カジュアル面談に選考要素を入れることはお勧めできません。なぜなら、候補者もカジュアル面談という軽い気持ちで、基本的には事前準備もせずに会話をしている為、もし仮に選考要素を入れてしまうと面談担当者と候補者との熱感にギャップが生まれ、候補者への印象がマイナスになる可能性が高くなるからです。
そもそもカジュアル面談というのは、スカウトを受け取った候補者が選考に進むかどうか判断する時間ですので、アトラクトに寄せることが基本で、その後の書類選考とはしっかり切り分けて判断することが適切です。
カジュアル面談後保留の人が多い
これまで多くのお客様の歩留まり分析をする中で、一番多い原因はカジュアル面談を実施するも候補者の転職時期ずれなどの理由により保留となっているケースです。
スカウト媒体に登録している人は今すぐ転職したいという人だけではありませんので、スカウトを実施するとこの層は必ず一定数出てきます。例えば、「現在関わっているプロジェクトの兼ね合いで○月までは転職できません」と言われてしまうようなケースです。
しかし、ここで重要なのは、そもそもカジュアル面談に参加する方の約半数は、カジュアル面談次第で選考に進むかどうか判断しているという点です。
以下はLAPRAS社が発表しているデータですが、グラフ左側の全職種のデータを見ると「カジュアル面談の内容次第では選考に乗ることを検討する」という方が44%を占めていることがわかります。
このデータから言えることは、もし保留となる人の割合が多い場合、タイミングの問題なので仕方がないと捉えるのではなく、うまくアトラクトができてないのではないか?と捉えて対策を打つことが重要です。
それでも、すぐには選考に進まない候補者は一定数でてきてきます。
このような候補者に対しては適切にナーチャリング(追いかけ)を行うことが重要で、長期で見ると歩留まりが良くなります。
ナーチャリングを行うポイントは以下2点となります。
・面談時にネクストアクションとなる時期をはっきりさせる
・ネクストアクション時期になったら忘れずに実施できる仕組みをつくる
ナーチャリングが必要にも関わらず次回連絡する時期が曖昧になっているケースが少なくありません。
面談時に「今は難しい」と言われた場合は、○ヶ月後、○月くらいなど具体的な転職活動開始時期を確認しましょう。
ネクストアクションを確実に実施する仕組みについては、もしATS(採用管理システム)を導入されている場合は、ATS活用が一番ベストです。ATSで有名なHERP、HRMOSにはタレントプール機能がついてますので、その機能をフルに活用すると良さそうです。
ATSを導入していない場合は、Excelやスプレッドシートで管理を行い、ネクストアクション日を設定、実行に漏れがない仕組みを作りましょう。
まとめ
スカウトによる母集団形成ができているにも関わらずカジュアル面談後の選考候補者が増えないという課題は決して珍しいことではなく、よくある事象です。
弊社ではATSを導入している企業においてはATSの閲覧権限もいただき、日々パイプライン分析を行っています。
弊社では、スカウトによる母集団形成だけでなく、採用活動全体のPDCAを回し、採用決定に向けて伴走いたします。