分析データで課題を特定!エンジニアと共にオファー受諾率を改善する方法
2022/05/26プロリクではプロコミュというコミュニティを運営しており、月2回のオンラインイベントを開催。採用ノウハウや面接術など採用ご担当者の方に活用いただける情報を発信しています。記念すべきトークイベント第一回では、ビザスクの小酒井さんからお話いただきました。
藤澤さしみ:本日はご参加いただきありがとうございます。ファシリテーターの藤澤さしみと申します。今回は、記念すべき第一回ということで、採用ノウハウや面接術に関してビザスクの小酒井さんからお話いただきます。それではよろしくお願いいたします。
小酒井睦美氏:改めまして、株式会社ビザスクでエンジニア採用をしている小酒井と申します。今日はよろしくお願いします。まずは、私の自己紹介から簡単にさせていただきます。
Webコンサルティング事業を提供している会社でネット広告の運用やアクセス解析を経験し、ここで数字に触れていた経験が今の考え方につながっています。2015年にビザスクに入社。当時人数も少なかったのでなんでもやってましたが、最終的に広報チームの立ち上げをした後、2017年に一度退職しました。次の会社でも広報を担当していましたが、代表の端羽から「そろそろ戻ってこない?」と声がかかり、エンジニアの採用を担当として2019年にまたビザスクに改めて入社しました。
さて、ビザスクで私が実践したことは大きく3つありました。1つはデータ分析による課題の把握です。その結果、重要な課題を特定することができました。それらの問題を解決するため、2つめにやったことは採用母集団の形成です。さらに、3つめはクロージングコミュニケーションの改善を実施しました。それぞれ説明していきます。
データ分析による把握
入社の時点で、現場を巻き込んだ採用プロセスはある程度できていました。採用要件はエンジニアが考えてくれている。面接も現場のエンジニアが協力している。テックブログ更新も頑張っている。パッと見は悪くありませんでしたが、なぜか思うように採用が進んでいない。そんな状況でした。そこでまずは実態を把握するため、取れる数字を取ってみようと思いました。データは、応募・面談・オファー数などをかなり細かく取りました。ここまで取る必要がある?というレベルで細かく取得しましたが、そのおかげもあり以下のことが見えてきました。
・思ったより母集団形成はできている ・通過率からして自社が欲しい人材と出会えていない ・媒体のROIが悪い ・内定承諾率が異様に低い
採用母集団の形成
この結果を受け、特に問題として大きそうな通過率の改善を目的とし、ABテストによる求人票の改善に取り組みました。具体的には、毎回のテーマ設定を欠かさず、テーマに沿った求人票のタイトルを決めるようにしました。業界で流行っている言葉を盛り込んだタイトル、弊社で取り組んでいるサービス推しのタイトルなど。具体的に何ができるのかをタイトルに端的に表現することは心がけました。求人票は2週間ごとに変えて、応募してくださった方の経歴はもちろんクリック率や反応率を見ながら修正を重ねました。
また、媒体運用の効率化にも力を入れました。スカウトには、時間がかかる媒体とかからない媒体があるので、それぞれの媒体ごとに担当者を変えました。具体的には、しっかりスカウト文を考える必要がある媒体は弊社のエンジニアへお任せしていましたね。一方で、最初はいいねしか打てない媒体は人事で巻き取るようにしました。なぜなら、コミュニケーションを取れるのはマッチング完了後になるので、早いレスポンスができる人事でやったほうがよいと判断したためです。
クロージングコミュニケーションの改善
先ほどのデータ分析において、内定承諾率が低いことがはっきりしましたので、こちらにも打ち手を実行しました。内定承諾率を向上させるためにまずは、面接に関するデータをオファーを受諾した人と辞退した人それぞれのデータを集めました。
わかったことは書類選考からオファーまでの日数と、オファー受諾率の相関です。オファーを受諾した候補者は、辞退した候補者に比べて選考からオファーまでの日数が10日短いことが分かりました。逆に、そのほかの要素にはほとんど違いを見つけられませんでした。具体的には、辞退した候補者は1ヶ月、受諾した候補者は20日かかっていました。そこでオファーまでの日程を短縮しました。過去は他社の選考と合わせるようなやり方をしていたケースもありましたが、この際にやめました。
次に、面接のプロセスを改善しました。弊社では1次面接ではカルチャーフィットとスキルチェック、2次面接ではさらに深いスキルチェック、最終面接はクロージング目的の面接、という進行でした。その中でも、面接後に直接、候補者と会話しすり合わせの時間を確保するようにしました。これまでは評価コメントだけを見て判断していましたが、なかなか不透明な部分があったためです。会話の内容は、次の面接官にもフィードバックしました。
また、私自身がフラットなスタンスで転職活動や条件面についてヒアリングを行うようにしました。媒体経由の応募だと、候補者と人事が一切顔を合わせずに進んでしまうので、候補者の条件面での不安などが解消できずに進んでしまうケースがあったためです。
さらに、開発メンバーとコミュニケーションを取る機会を設けました。たとえば、候補者と面接をして「何か違うけど、何が違うのかが分からない」と思うのは面接官あるあるだと思うんですよね。そのときに、エンジニアが候補者に対して思ったことを質問して洗い出していきます。この工程をプラスしたことで、ふわっとしていた採用要件のすり合わせができましたね。人事はあくまでもスキルを見極める面接官ではなく、見極めるエンジニアが感じた違和感を言語化するサポートをしようと意識していました。ちなみに、弊社のエンジニアは数字で示したほうが納得してくれるので、月1の採用定例で進捗を数字で共有するなど協力関係を築きやすいコミュニケーションを心がけました。
かなり問題意識があったので色々なことを実行しましたが、これらの取り組みの結果、2019年11月から2020年7月にかけてオファー受諾率が大きく改善しました。
おわりに:採用広報で気をつけるポイント
最後に、私が採用広報において気をつけてきたことをお伝えします。
1つは、各採用媒体の役割を定義して共有することです。現在、弊社では4つの媒体を使って採用活動をしています。しかし、社内の全員が4つの媒体の役割の違いを知っているわけではありません。各媒体の役割を言語化した上で社内に伝え、書くべき内容を混乱させない状況を作るようにしました。
2つめは、狭い範囲のターゲットにでも刺さる記事を書くことです。広くバズる記事を書くのはすごく難しいと思いますし、組織についての考え方といった体系的な記事であることが経験上多いと感じます。そのような形で認知度を向上することに弊社として魅力を感じなかったのです。そうではなく、弊社としてデータからも課題だとわかっていたスカウトの返答率UPや最終面接後の承諾率を重要視しました。その向上に役立つかどうか、という観点で効果的なものを選んできました。
以上です。ありがとうございました。
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