Recruitment Branding
採用ブランディング

採用ブランディングとは、“誰に、なにを、どう伝えるか?”を科学する設計図です

プロダクト開発に要件定義や設計図があるように、採用活動にも「設計」が必要です。 中でも、候補者に「どう思われたいか」「どう想起されるべきか」を意図して設計すること。これこそが“採用ブランディング”です。

SNSを頑張って運用する、広報PRを行う、記事を書く、広告を出稿する、それらは採用ブランディングを実現するために枝分かれした「手段」でしかありません。 本質は、候補者のインサイトに刺さる“想起”をどう設計し、どうすべての採用接点に落とし込むか。それが企業の採用成果を大きく左右します。


採用ブランディングとは何か?

採用ブランディングと聞くと、よくある誤解として、
・ロゴやスローガンを考えること
・SNSや広報を頑張ること
・イメージを良くする活動
・採用広報記事を書くこと
・イメージ広告や記事広告を出稿すること
こういった内容をイメージする人もいるかもしれません。
しかし、それらは一部ではあるものの、表層的な手段です。

採用ブランディングの本質的な定義は、 “誰に、なにを、どう伝えるか?”を科学する設計図を作ることです。

より具体的に言うと、プロリクはよく「意味ある想起」という表現を用いますが、候補者に態度変容を促すという観点において、意味がある想起を作り出す行為のことを指します。

採用ブランディングが採用活動のすべての基盤、軸となる

採用ブランディングは、採用業務の実行フェーズの効率を高める大切な行程です。ターゲットとなる人物像を詳細に設計し、自社の魅力を洗い出した上で、情報を整理します。シンプルで候補者にとってイメージがしやすく、かつ的を得て心に刺さる採用コンセプト(自社の独自の位置付け)をデザインする。機能的でありふれたメッセージではなく、情緒的な共感をも伴う表現で、候補者に訴求することが重要です。

なぜ今採用ブランディングが必要なのか?

候補者側の比較検討コストがかつてなく高い時代

採用市場はいま大きく変化しています。

かつては「知名度があれば応募が来る」「エージェントの紹介を待っていれば応募が集まる」「スカウト活動を頑張れば返信が来る」時代でしたが、今は全く景色が変わってしまいました。
プロリクが約1,800名のITエンジニアに実施した調査では、多様な経路でエンジニアが転職活動をしている実態が明らかになっています。候補者は複数の媒体(スカウト・求人・HP・SNS・リファラルなど)を併用しながら、自ら能動的に企業を選ぶ時代に変化しています。

多様なチャネルから様々な情報を受け取る今の候補者は、認知コスト、情報周コスト、比較検討コストがかつてなく高まっています。情報があふれる中、すべての企業を深く比較することは現実的ではありません。
そのようなコストを合理的に下げるために、エンジニア候補者は「よく分からない会社」、「特徴が曖昧な会社」をまず選択肢から排除した上で、印象に残る会社を中心に深く比較検討していくというスクリーニング型の意思決定をとっています。
これらのことから、エンジニア候補者に「比較検討する価値ある会社だ」という想起の形成をする必要があるのです。

比較される時代において、問われるのはエンジニアの「インサイトに刺さる」想起

候補者にとって“比較する価値がある会社”とは、どんな会社でしょうか?プロリクが行った調査では、候補者がスカウトに返信するかを判断する際、「自分の価値観と一致する情報があるかどうか」、つまり、ニーズ、またはより潜在的なインサイトに合致した情報が大きな分岐点になることがわかっています。そしてこれは上で図解しているように、職種別(細かく言うと年代やレベル習熟度など様々な切り口別)によって大きく違いが見受けられます。

生成AI利用を前提としたエンジニア転職活動

また、生成AIの精度向上そのものがエンジニアの意識に直接影響を与えていることもプロリクの調査でわかってきています。ITエンジニア1,164名を対象に実施した生成AIと転職活動に関わる調査では、約3割のエンジニアが「応募先企業の生成AI活用度が、応募判断に影響がある」と回答してます。特に、技術トレンドの最前線にいるAI/MLエンジニアやスマホアプリエンジニアといった職種では、その割合が45%を超えるなど、企業のAIに対するスタンスが、転職先選びの重要な指標になりつつあることがデータで示されています。

例えば…

︎「バックエンドエンジニア」には「この開発組織は◯◯という価値観を大切にしている」「生成AIをプロセスに適切に組み込んでいる」という想起

︎「AI/MLエンジニア」には「あのプロダクトは◯◯という課題を解決している」「生成AIによる生産性向上を評価に組み込んでいる会社」という想起

こういったターゲット別に態度変容を促すような“意味ある想起”がなければ、候補者の比較対象にすらならないのです。
スカウト、求人、会社説明資料、記事、面接──
すべての接点において、「誰に、何を、どう伝えるか?」が統合的に設計されなければ、比較の土俵にすら立てない。想起されなければ、選ばれない。どれほど優れた事業も、どれほど魅力的な文化も、候補者の頭の中で想起されなければ無意味なのです。
私たちは、約1,800名のエンジニア調査と媒体行動ログから、職種・スキル・所属業界などの細かいメッシュでのインサイト構造を定量化しています。誰に、何を、どう伝えれば、どの接点で反応が起きるのか。想起を、因果で捉える。勘と経験ではなく、科学的に、再現性ある形で設計図にしています。

採用は、過去の成功体験、経験、感覚でやる時代ではなく、科学する時代へと変わってきています。

プロリクの採用ブランディングの設計ステップ

私たちが設計しているのは、「印象」ではなく「行動を変える構造」です。想起とは、感覚ではなく、設計可能な因果構造だと私たちは考えています。想起が正しく設計されていれば、応募率、選考移行率、内定承諾率が大きく変わります。

採用ブランディング設計の概念図

採用ブランディング設計の実際のプロセス

  • 80項目のヒアリングシートで貴社の実態を洗い出し
    (業務・戦略・文化)

    量の多さは重要ではありません。 「どのような問いを立てるか」が遥かに重要です。プロリクの設問は、独自アンケート、媒体行動ログ、スカウトA/B検証のデータに基づき選定されており、「成果に効く変数」をヒアリングすることで強みを洗い出しています。

  • ペルソナ設計、候補者インサイト設計

    スカウト接触可能性・返信期待値までを含めた現実的なペルソナ像を定義します。そして、そのペルソナがどういったインサイトを持っているか、約1800名のエンジニア調査と媒体行動ログから得られた、職種・スキル・所属業界などの細かいメッシュでのインサイトデータを元に、仮説設計します。

  • 貴社の現状×候補者インサイトを元にした意味ある想起の設計

    貴社の実態(業務・戦略・文化)と候補者のインサイトデータをかけ合わせ、候補者の行動変容を促す訴求を定義します。
    ここで重要なのは、「何を伝えたいか」ではなく、「何を伝えれば相手が動くか」です。再現性を持って、候補者の意思決定に寄与する変数を選定致します。

  • 「意味ある想起」を「どのように伝えるか?」を策定する

    ステップ3までに設計された想起を、具体的な手法論として、どのような順序でどのような採用接点で伝えていくべきかを設計します。採用コンテンツ、スカウト文、求人票、エージェントスライドなど、すべての表現に一本の軸を通します。

よくある質問(FAQ)

差別化要素が少ない会社でも意味あるブランディングは出来ますか?

差別化されていること、他社よりも優位であることはたしかに重要ではあります。
しかし、「候補者にとって意味がある情報かどうか」の方が本質的に重要です。
情報が整理されず発信されていないことによって、御社の想起が毀損されているという認識が重要です。


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